8教室の講義を手間無く全自動収録、学習サポートや海外交流大学への動画配信も

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筑波大学 様

筑波大学は、前身の東京教育大学移転を契機に1973年、「開かれた大学」「教育と研究の新しい仕組み」「新しい自治大学」を特色とした総合大学として発足しました。現在は茨城県つくば市と東京都文京区の2キャンパス体制で、人文・文化、社会・国際、人間、生命環境、理工、情報、医学、体育専門、芸術専門の9学群(学部に相当)編成。2023年には開学50周年を迎えます。
同大学は2013年、学術情報メディアセンター教育クラウド室担当のもとで38教室に講義収録システム「Cbox」を導入。2022年度にはネットワーク収録システム「Spider Rec」にリプレイスし、筑波キャンパスの8教室に導入するとともに、学習動画共有プラットフォーム「CLEVAS」も導入しました。学術情報メディアセンターは情報環境並びにそれを用いた情報サービスに関する研究開発と、情報基盤の整備・運用並びにサービスをする機関です。同室の業務に携わる同大システム情報系情報工学域の木村成伴准教授(博士 [情報科学])と阿部洋丈准教授(博士 [工学])に導入までの経緯と今後に期待する教育効果などについて聞きました。

筑波大学

導入製品
導入前の課題
  • 遠隔地の大学と授業を共有したい
  • 講義後の事後学習をフォローし、教育の質を高めたい
  • 教員の負担が少ない収録システムを導入したい
導入後の効果
  • 大学全体の教育の質向上に繋がる
  • 2年進級時に学群・学類を決める総合学域群の学生の進路判断の一助になる
  • 海外の提携大学との交流促進に繋がる
目次

ICTによる教育の質向上の一環で講義収録システムを導入

筑波大学学術情報メディアセンターの教育クラウド室は特に学内のeラーニング推進と、ICTによる教育の質向上の施策を推進してきました。その一環として2013年に導入したのがフォトロンの講義収録システム「Cbox」です。阿部准教授は、当時をこう振り返ります。

『本学では2010年にICT技術による学習管理システムを構築し、eラーニングの運用をスタートさせていましたが、当初はテキストベースの教材など、静的コンテンツの提供が中心でした。一方、本学は鹿児島県の鹿屋体育大学との連携による体育・スポーツにおける共同専攻の設置が決定したところで、時限(授業の開始・終了時刻)や学期の違いへの対応方法を検討していました。そうしたなかで出会ったのが「Cbox」でした』

「Cbox」で収録した映像と音声は、同大学のカスタマイズシステムを通じて配信。収録を希望する場合は事前予約するだけでよく、あとはマイクのスイッチを入れれば、自動的に録画されることから、活用する先生からは「非常に便利」との声が寄せられていました。

『しかし、サーバーが老朽化し保守契約も更新できないことから、関連情報のクラウド管理への移行を決定しました。これを機に収録システムも見直すこととなり、「Cbox」と同じフォトロンのネットワーク収録システム「Spider Rec」にリプレイスしました』

「Spider Rec」はブラウザからのアクセスにより、接続している全ネットワークカメラの管理、プレビュー、操作、収録が可能。予約情報を元に自動収録できるスケジュール登録機能も搭載しています。同時に、配信に関しても、フォトロンの学習動画共有プラットフォーム「CLEVAS」を導入しました。視聴者である学生がより目的の収録講義を探しやすくなっただけでなく、管理者は利用状況を分析し、講義の質の向上や学生の学習サポートなどのフィードバックができるようになりました。

筑波大学 システム情報系情報工学域
木村成伴 准教授(博士 [情報科学])
筑波大学 システム情報系情報工学域
阿部洋丈 准教授(博士 [工学])

Web会議ツールとの共存など、新たな収録・配信環境を低コストで実現

当初、筑波大学の講義収録システム切替は2020年度の予定でした。ところが、コロナ禍で1年先送りされたため、新システムに必要な要件をあらためて検討したと阿部准教授は言います。

『最も気になったのは、コロナ禍により授業をオンラインで配信できるWeb会議ツールが一気に普及したことでした。本学でも、新たにZoomのライセンスを確保しました。こうした状況において、講義収録システムを共存させるため、フォトロンには連携にかなりご協力をいただきました』

機能は、「Cbox」同様、教室内で先生方の手間のかからないことが評価されました。「Cbox」は各教室に収録装置を配置するのに対して、「Spider Rec」は収録装置を別室に集約するシステムなので、1教室当たりの導入コストは安くなる点も評価されました。

また、同大学では、学習管理システムとして、以前からクラウド型の教育支援サービス「manaba」を活用していました。そのため、収録映像もmanaba内の当該講義のページからアクセスする形が求められましたが、「CLEVAS」に改修を加えることで円滑な連携を実現しました。

『コロナ対策が必要になったこともあり、収録システムの切替には予算的に非常に厳しいハードルが課されていたので、フォトロンサイドのさまざまな提案は非常に助かりました』

海外の大学との提携戦略「CiC」構想への貢献にも期待

筑波大学では、2022年7月から基本的に対面型の授業を再開することになりました。そのため、コロナ禍で実質休眠状態だった講義収録システムも再び活用されるようになっていくはずだと教育クラウド室では推測。木村准教授はコロナ禍の前以上に利用される可能性があるとして、その理由に「先生方の意識の変化」を挙げます。
「以前は積極的に利用する先生がいる反面、撮られることを敬遠する先生もいらっしゃいました。でも、コロナ禍でオンライン講義を迫られ、撮られることへの抵抗感は下がったはずです」

2020年の改正著作権法施行も、講義収録システム活用の後押しになるとみています。それまでオンデマンド型の授業配信は、個別に著作権者の許諾が必要でしたが、(同法施行に伴い創設された一般社団法人授業目的公衆送信補償金等管理協会に)補償金を支払うことで著作権者に無許諾で配信することが可能になりました。

一方、学生側の視点に立つと、講義収録システムは復習に間違いなく役立つと断言。同大学が2021年度に創設した「総合学域群」の学生にも有用なシステムだとの見方を示します。

 『総合学域群は、どの学群に進みたいかを決められずに入学してきた新入生用の「筑波大学枠」で、最初の1年間の各講義への興味を踏まえて進路を決める制度です。進路先となる学類・専門学群の内容を知ることができる「専門導入科目」は、定員オーバーで受講できなくなると、進路を決定する判断材料を失うことになります。このような科目は、講義収録システムなどを利用して、希望する学生全てが受講できるようにすることが大切です。また、講義が収録されていれば、最終的な判断を下す前に、もう1度聞きたいと思う講義があるかもしれません。』

同大学の国際戦略「Campus-in-Campus(CiC)」構想にも有益だと木村准教授は強調します。
『CiC構想は、本学と海外の大学の間でパートナー協定を締結し(現在10校)、留学の円滑化などにより国際間の教育研究交流を促進しようという取組みです。ところが、いまはコロナ禍により、学生たちは思うように留学できない状況にあります。そのような学生に動画で講義を受けてもらい、その良さを認識してもらうことで、状況が落ち着いたら、本学に留学したいと思ってもらえることが期待できます』

最後に、木村准教授と阿部准教授は次のように語ってくれました。
『今回は予算の都合上、分割されたエリアに偏りが生じないように配慮し8教室の導入となりましたが、将来的には導入教室を拡大していきたい。これは学術情報メディアセンター教育クラウド室全体の思いです』

ワークフロー

USER PROFILE

理念

筑波大学は、基礎及び応用諸科学について、国内外の教育・研究機関及び社会との自由、かつ、緊密なる交流連係を深め、学際的な協力の実をあげながら、教育・研究を行い、もって創造的な知性と豊かな人間性を備えた人材を育成するとともに、学術文化の進展に寄与することを目的とする。
従来の大学は、ややもすれば狭い専門領域に閉じこもり、教育・研究の両面にわたって停滞し、固定化を招き、現実の社会からも遊離しがちであった。本学は、この点を反省し、あらゆる意味において、国内的にも国際的にも開かれた大学であることをその基本的性格とする。
そのために本学は、変動する現代社会に不断に対応しつつ、国際性豊かにして、かつ、多様性と柔軟性とを持った新しい教育・研究の機能及び運営の組織を開発する。更に、これらの諸活動を実施する責任ある管理体制を確立する。

筑波大学 様

学長
永田 恭介
所在地
筑波キャンパス(茨城県つくば市天王台1-1-1) 東京キャンパス(東京都文京区大塚3-29-1)
学群・学類
人文・文化学群 / 社会・国際学群 / 人間学群 / 生命環境学群 / 理工学群 / 情報学群 / 医学群 / 体育専門学群 / 芸術専門学群

※ この記事は2022年6月取材時の情報です

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