導入事例

東邦大学様 ネットワーク収録システムが、医療教育において効率的で質の高いシミュレーション教育を実現

東邦大学様

学校法人東邦大学が持つシミュレーションルーム6室でおこなわれるPost-CC OSCE(Post Clinical Clerkship Objective Structured Clinical Examination:臨床実習後客観的臨床能力評価試験)の映像収録を目的として導入した、ネットワーク収録システム「Spider Rec」の活用方法や今後の展望を東邦大学 医学部 医学科 医学教育センター 教授 東邦大学医療センター大森病院 総合相談部 部長 糖尿病・代謝・内分泌センター 廣井 直樹 教授に聞きました。

導入製品

導入前の課題

  • 映像収録を簡単に高画質でおこないたい。
  • 固定カメラとハンディカメラの動画、集音マイクの音声を1つのコンテンツとして記録しておきたい。

導入後の効果

  • OSCE試験の録画データの検索と取り出しが簡単に短時間でおこなえた。
  • シミュレーション教育の質を高められ、学生の募集に役立った。

東邦大学は、1925年に額田豊・晉兄弟により創立された帝国女子医学専門学校が前身で、現在、5つの学部(医学部・薬学部・理学部・看護学部・健康科学部)からなる自然・生命科学の総合大学です。
医学部の教育目標は「より良い臨床医の育成」であり、その考えのもとで早くからシミュレーション教育の重要性を認識し、私立の医科大学の中では早くから「シミュレーションラボ」を設置していました。医学におけるシミュレーション教育というのは、実際の医療の現場を模擬的に再現しながら、何をするべきかを考えて適切な医療行為を行えるための教育方法です。現在、この教育手法は発展し、卒業前から卒業後の教育まで段階を追ったシミュレーション教育が求められています。

医学生の臨床技能を評価するOSCEで 映像の収録と管理を手間なく実現

病院の外来で行われる実際の医療行為は、患者を診察室に招き入れるところから話を聞き診察、診断するという流れで行われます。Post Clinical Clerkship Objective Structured Clinical Examination(Post-CC OSCE:臨床実習後客観的臨床能力評価試験)は、この流れを模擬的に実践する試験で、医師役の学生が模擬患者に対する「態度」「技能(診察・処置)」について評価されます。

このPost-CC OSCEにおける映像記録の役割は、学生の医療行為への適切な評価、疑義に対する適正な対処に用いられます。また、評価者の振り返りに用いることも可能となります。そのため、模擬患者と学生の広範囲をカバーする天井設置のカメラと、そのカメラの死角になるアングル(特に重要な学生正面のバストショット)を撮影するハンディカメラの2台で撮影します。東邦大学では、このPost-CC OSCEを2018年9月に完成したシミュレーションルーム6室で実施。各室のカメラ映像と集音マイクの音声を1つのコンテンツとしてネットワークカメラ収録システム「Spider Rec」により記録しています。

『映像では学生の視線や細かい診察の動きを確認でき、明瞭な音声で模擬患者との会話をはっきり聞き取ることが可能です。録画映像を見直して確認もでき、適正な評価につながります。使ってみて便利だと感じているのが、収録された動画をサーバーから取り出し、持ち出すための作業が簡単なことです。映像で再評価するときに、自分で検索して目的の学生の映像データを迅速に拾い出すことができました。Post-CC OSCEを行った後は、こうした評価作業に追われますので、短時間で簡単に目的の作業が完了するというのはとても助かります』

 ネットワークカメラ収録システム「Spider Rec」は、シミュレーションルーム毎に、収録のスケジュールを設定できます。サーバーが置かれたコントロールルームにあるPCの管理画面から、あらかじめスケジュールを入力しておけば、後は自動で収録スタート/ストップが行われます。試験の忙しい最中に、コントロールルームに人員を配置する必要もありません。

 『以前はハンディカメラだけで撮影していましたが、撮影場所の確保や電源コードの配線などで大変でした。さらに撮影後には長い時間をかけ、カメラ内のデータを手作業でサーバーへ移し替え、ファイルをきちんと整理しておかなければなりませんでしたから。準備、収録、そして後の管理まで業務量を削減することにも役立っています』

東邦大学 医学部 医学科 医学教育センター 教授 東邦大学医療センター大森病院 総合相談部 部長 糖尿病・代謝・内分泌センター 廣井 直樹 教授
東邦大学 医学部 医学科 医学教育センター 教授 東邦大学医療センター大森病院 総合相談部 部長 糖尿病・代謝・内分泌センター 廣井 直樹 教授

本格化するシミュレーション教育が 実現するアクティブラーニング

Post-CC OSCEは、医学生が研修医としての診察能力を持っているかを評価する試験であり、医学部の卒業生の質を担保するための重要な試験となります。令和2年度からすべての医学部・医科大学において卒業試験の一部として実施される予定です。東邦大学のシミュレーションルームは、今後、こうした試験に使われていくのはもちろん、普段の授業におけるシミュレーション教育にも積極的に活用されていくことになります。
『シミュレーションルームの可動壁を取り除くと2部屋がつながり約50m2の広さになります。1部屋ではシミュレーショントレーニングを行うには手狭なんですが、50m2あれば大人数にも対応できます。学習する環境を考えると15人までなら同時にワーキングを行えますね』
このシミュレーションルームの隣には200m2のセミナールームが併設されており、40~50人の学生が授業を受けることができます。

 『セミナールームでは、リアルタイムでシミュレーションルーム内の診察や手技をモニターすることができます。カメラの解像度も高く、高画質の映像が配信されますので、大画面でも鮮明に映し出せるので嬉しいですね。もちろん音声も聞こえますから、他の学生が行った診察を見て学ぶこともできますし、録画した映像から自分の診察を振り返り、客観的に評価することも可能で、とても効果的な授業を実現できます』

Post-CC OSCEにおける映像記録が導入の主たる目的だったネットワークカメラ収録システム「Spider Rec」ですが、シミュレーション教育が本格化するにつれて、今後は必要不可欠になります。
『学生は自分で考えて行動し、他の学生の行動は批判的に見ながら言葉にして伝え、時には褒める——そんな授業を行うには、こうしたシミュレーションルームのような環境が必要ですし、学生同士で互いにディスカッションを重ね経験値を高めながら伸びていくアクティブラーニングが、今後の大学には必須です。こうした収録システムはこれから重要度が高まり、効率的で質の高い教育環境構築のためには重要な役割を果たすシステムだと思います』

天井カメラとハンディカメラの2画面合成収録
天井カメラとハンディカメラの2画面合成収録
ワークフロー

USER PROFILE

理念

「自然に対する畏敬の念を持ち、生命の尊厳を自覚し、人間の謙虚な心を原点として、かけがえのない自然と人間を守るための、豊かな人間性と均衡のとれた知識・技能を育成する」

学校法人 東邦大学

学長
高松 研
所在地
東京都大田区大森西5-21-16
学部
医学部、薬学部、理学部、看護学部、健康科学

この記事は2019年7月現在の情報です

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